Netflixのドラマ「THE DAYS」を一気に観ました(全8話)。2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で福島第一原子力発電所に事故が発生。その出来事を「事実に基づき」政府、電力会社、原発所内の3つの視点から描いた作品です。主演は役所広司で、吉田昌郎所長役を演じています。
前々から気になっていたこのドラマ、週末に一気に観てしまいました。一気に観れたということは、個人的には非常に刺さったドラマだったと思います。
このドラマは、事故の現場で命懸けで働いた人々の姿を、リアリティを追求して描いています。原発所内のシーンでは、放射線の恐怖や全電源喪失(ステーションブラックアウト)により原子炉冷却機能が失われ、その復旧に追われる現場の緊迫感が伝わってきます。また、政府や電力会社の対策会議のシーンでは、事故の対応に追われ、混乱する様子が描かれています。
役所広司の演技は、吉田昌郎所長の冷静沈着で責任感の強い姿を、見事に表現しています。また、他の役者たちも、事故の現場で働く人々の苦悩や葛藤をリアルに演じています。
ドラマ全体を通して、事故の恐ろしさと、その現場で働いた人々の勇気と努力を、改めて感じさせてくれる作品です。
正直、いままでぼんやりと認識していた事故の恐ろしさが、このドラマを通じて本当に恐ろしい事故だったということがやっとわかったような気がします。そして対応する人々のプレッシャー。特に吉田所長に至っては、常人が受け止められるレベルをはるかに超えたプレッシャーだったと思います。
この事故は、原発の専門家であっても、想定外の出来事ばかりでした。吉田所長は、事故の収束のために、これまでに経験したことのない、さまざまな判断や決断を迫られました。そのプレッシャーは、計り知れないものであったでしょう。
また、この事故は、日本中、そして世界中に大きな影響を与えました。吉田所長は、事故の責任者として、国民や世界の人々の批判にさらされました。そのプレッシャーは、想像以上に大きかったのではないでしょうか。
さらに、吉田所長は、事故の収束のために自らの命を危険にさらすことを覚悟していました。(吉田所長は事故の収束後、食道癌を発症し亡くなりました。事故との因果関係は不明。)
このように、吉田昌郎所長は、原発事故という未曾有の出来事と、それによる大きな責任とプレッシャーに直面していました。そのプレッシャーは想像を絶するものであったに違いありません。
そういったことが感じ取れるドラマでした。
しかし役所広司はこういう役がハマり役のような気がします。役所広司の作品をそれ程多く観ているわけではないですが、非常にマッチしていました。
なんかこう、利害関係者に挟まれたり、重要な決断を下さないといけない、といった役です。
思い出すのは映画「突入せよ! あさま山荘事件」です。これ、好きなんですが、役所広司の演技が好きなんだと思います。
そういう意味では、「THE DAYS」に役所広司が出ていなかったらどういう印象をもったんだろうと思うくらい、ハマり役だったと思います。
最後に、事故当時、東京電力で行われていたテレビ会議の様子を掲載しておきます。ドラマには出てこないシーン(3号機建屋の水素爆発時の様子)なども記録されているので必見です。